連橋・・・某都立高校1年
流・・・・・同上
亜沙子・・・某都立高校3年
小田島義政(オダジマヨシマサ)・・・暁学園高校1年
城田優(シロタユウ)・・・・・同上
大林二郎(オオバヤシジロウ)・・・連橋のアパートの隣人。連橋の身元保証人
志摩怜治・・・暴走族ジレンの頭
*****************15話**************
「ヘイヘイ。なんかめっちゃ色男のおにーちゃん。アンタが背中に隠しているのが、小田島か」
志摩が、ジロジロと城田を見ながら、言った。
「顔も知らねえで、突っ込んでくんなよ」
城田は、無表情に言い返した。
「わりぃな。小田島なんつーガキが統率してるガキ軍団なんて、とんと興味がねえもんでな」
志摩はニヤニヤしていた。
「やかましいっ」
城田の背中で、小田島が叫んだ。
「いい気になってんじゃねえぞ、志摩。てめえこそ、数だけ揃えてお山の大将気取ってんじゃねえぞ」
「それはおまえもだ」
緑川がボソリと呟いた。小田島は、キッと緑川を睨んだ。緑川は肩を竦めて小田島の視線を無視した。
「いいね。それぐれえ度胸がなきゃ、守ってやる価値もねえってもんだよ」
城田は、ニヤリと笑った。
「ツラ覚えたぜ、小田島。さあて。そろそろ行かせてもらおうかな」
トンッ、と志摩は、木刀で肩を叩いた。
「てめえら。ガキどもたたんじまいな」
志摩の声で、志摩の背後にいた舎弟達がワッと、こちらに向かって来た。
「義政。死ぬ気で戦えよ。おまえは俺達の頭だ。惨めなところ見せてるんじゃねえぞ」
城田は言った。
「早目に俺を助けに来い。俺は殴られるのに、慣れてねえんだからな」
小田島は言い返す。少しは、らしくなってきたようだった。
「承知したぜ。そんでもって緑川。おまえ、ナイフ持ってるか?」
「当たり前だろ。携帯してる」
「じゃあ、それ。途中で俺によこしな」
「なに?それじゃ、俺はどうやって自分を守ればいいんだよ」
緑川は、不服の声をあげた。
「俺が守ってやる。必ず、おまえと義政を守ってやる。おまえは俺に命預けろ。ただし。途中で、だ。俺がヤられている途中に、だぜ。忘れるな。タイミングを読み間違えるなよ」
城田は緑川に背中を向けたまま、言った。
「わかった。じゃあ、俺はこれでしのぐとすっか」
緑川は、木刀をビュッと振って見せた。
「よし、散れ。逃げれたら、車で先逃げろ。逃げれなければ、その場で踏ん張ってろ。必ず救い出してやる。無傷でって、言えねえところが悪いけどよ」
バッと、城田は木刀を構えた。志摩がこちらに向かって走ってくる。目的の小田島をやるには、志摩は必ず城田を通過しなければならない。
『覚えておけよ、城田。大勢の敵に捕まった時。無駄な抵抗するんじゃねえ。とりあえずは殴られろ』
大堀の言葉が耳に甦った。
とりあえず殴られろって・・・。大勢に囲まれりゃ、とりあえずじゃなくったって、殴られるだろーが。ふざけたアドバイスしやがって。
城田は心の中でぼやいた。
『殴られながら、探せ。敵を支配しているヤツを。指令を出しているヤツを見つけだせ』
そんなの殴られる前からわかってんだよ。志摩怜治だっつーの。
『見つけたらあとは、ソイツを誘惑しやがれ。でもまあ、その前におまえがヤられてしまっていたら、なんの意味もねえがな』
男を誘惑すんのは、苦手だけどな。
「どきな、ぼうや」
志摩は、勢いよく振りかぶってきた。ビシッ、と城田の肩に木刀が当たった。避け切れない早さではなかったが、あえて受けた。城田は、叩かれた右肩を右手で擦って、木刀を左に持ち替えた。城田は、左ききだった。水平に、木刀を払った。
「うおっと」
志摩は、腰を捻って、城田の木刀を避けた。ガッと、志摩が城田に打ちつけてくる。志摩は、体制の立て直しが早い男だった。連橋と同じようなタイプらしい。城田は分析しながら志摩の木刀の打撃を受けては流し、返した。カンカンカンカンッ、と木刀が妙に甲高い音を立ててぶつかっていた。ブアッと、志摩の木刀が城田の喉を突くような形で、下から襲いかかってきた。城田は、首だけでそれを避け、志摩の木刀の切っ先を左手で掴むと、グルと回した。
「うおっ」
志摩は、慌てて木刀から手を離した。そうでなければ、体が一回転してしまっていただろう。
「てめえ。すげえ力だな」
「力だけはあるもんでね」
「そうは見えないぜ。中々鋭い」
どこからか、木刀が飛んで来て、志摩はそれを右手でパシッと受け取った。
「名前聞いておこーか」
「必要あんの?」
「必要ねえな」
「じゃあ、いいじゃん。面倒くせー」
城田は、志摩に先制攻撃を仕掛けた。そうしているうちに、小田島は、城田の背中よりやや後ろの斜めに舎弟達に守られながら移動していった。誘導、いや誘惑は成功したようだ。
「よっと」
志摩の方も心得ていたらしく、クルリと身を返しては、城田の木刀を避けた。チッと、舌打ちしながら城田は走った。倉庫に向かって。城田は、開け放たれた倉庫のドアを潜って行った。ちょうどその頃。志摩の舎弟達に助けられながら、連橋と流が入り口のすぐ側まで来ていた。流はグッタリと俯いていて舎弟達に肩を借りていたが、連橋はヨロヨロと危なげな足取りだったが、とりあえずは自分の脚で立っていた。舎弟達が、連橋と流の体を守るように、ハッとして立ちはだかった。
「バイバイ」
城田は、そう呟いて、連橋の横を駆け抜けていった。その瞬間、連橋と目が合った。
「よ、連。今おいかけっこの真っ最中。またな」
チャッと木刀を振り上げて、ニッコリ笑いながら、志摩は城田を追いかけていった。
城田は適当なところに来て、志摩を振り返った。
「もーらいっ」
志摩は、城田のすぐ側まで来ていた。バシンッと、鈍い音がして、志摩は城田の胸を木刀で叩いた。
「っ!」
城田はうめいた。木刀をアスファルトにガッと突き刺し、なんとか無様に転がってしまうのを避けた。だが、志摩は容赦なく木刀で仕掛けてきた。
「う、ぐっ」
志摩の木刀に、頭を掠られ、首を打たれ、城田はさすがにガクンッと、アスファルトに膝をついた。志摩は、それを見ると、ポイッと木刀を捨てた。城田の襟元を掴むと、その顔を覗きこんだ。
「木刀はもういらねえ。あとは俺のこの手で、てめえをアスファルトに沈めてやるぜ」
そう言って、志摩は城田の顔目掛けて、拳を打ちつけた。バッと、城田の顔から鮮血が飛んだ。
『城田。誘い込んだら、適当にヤられちまえ。ただし、余力を残してな』
流との戦いがなければ、このイカサマ、結構楽だったのにな。口の中に忍びこんできた血を飲み込んで、城田は心の中で再びぼやいた。
「城田ァッ」
緑川が倉庫に飛び込んできた。城田は、心の中で「ナイスタイミング」と呟いていた。
「受け取れっ」
ヒラリと、緑川の手を離れ、銀色に光るナイフが空中に飛んだ。城田は、志摩を押しのけ立ちあがり、そのナイフを空中からもぎ取った。
「おっと、おっと。あぶねーモンを持つなよ。足元フラフラなんだからな。よろけて刺されちゃたまんねえぜ」
志摩は、言葉とは裏腹にまったく動揺していないようだった。軽い口調は、コイツの性格らしい。どうせ、自分も胸に持っていやがるのさ。同じのをな。知りながら、城田はナイフを握ると、志摩に向かって突進していった。
『やりすぎるな!』
大堀の言葉が頭を過った。
わかっているさ・・・。
適当に殴りあっていたのだから当然だ。城田は持っていたナイフを志摩の手によって振り落とされた。志摩は、ナイフを拾いあげて、遠くに放り投げてしまった。
「!」
僅かに離れたところで、木刀で応戦していた緑川だったが、
「城田のアホタレッ!」と叫んだ。「俺の命を返せっ!」とも叫んだ。
その言葉を背中に聞きながら、志摩はニヤニヤして、目の前でナイフを落してしまった城田を見た。城田は志摩を睨んでいた。
『慢心するヤツは、必ず隙を見せる。いいか。相手を有利な立場にしてやれ』
してやったぜ。なあ、大堀さんよ。そんでもって、次は・・・!?心の中で、城田は大堀に問いかけた。
志摩は、笑いながら城田に殴りかかってきた。ビシッ、ビシッと志摩の拳は、城田の頬を殴りつけた。重いパンチだった。2歳年上なだけなのに、志摩の体格はかなりの確率で城田より逞しかった。そのせいだろうが、力も違う。修羅場を数多く潜りぬけてきたであろう、自信に満ちた重い拳だった。ガッと、志摩の渾身の一撃であろう拳に、城田はドッとアスファルトに体を倒した。志摩は「色男が台無しだぜ」と笑いながら、倒れた城田を跨いでは屈んで、城田の襟元を引っ張った。
「これでオシマイ、はねえだろ。もっと楽しもうぜ、城田」
余裕の志摩の顔が、城田の顔のすぐ上にあった。
『慢心したヤツは、警戒しねえで懐に飛び込んできやがる。警戒なんてする必要ねえんだよな。仕留めたって思ってるんだから。だがこっちはまだイケる』
本当にきやがったぜ。絶好の間合いに、な。城田は目を見開いた。
『そこで、決めろ!』
「終わりの筈ねえだろ」
城田は低い声で言った。
「これからじゃねえか」
城田は、手にナイフを持っていて、その切っ先を志摩の喉元に押し当てた。
「これから、じゃねえかよ。なあ、志摩さん」
志摩は、血だらけの城田の顔を見下ろして、ゆっくりと笑った。
「てめえ・・・。持っていやがったのか・・・」
城田は、ガッと志摩の頭に手を回してその茶色い髪を掴んでは、ニヤリと笑った。
「持ってねえとは一言も言ってねえぜ」
「だったら最初からとっとと出しやがれよ」
「アンタだって出さなかった」
「出す必要がなかったからだ。ヘタな芝居しやがって」
「喧嘩にゃ、はったりも必要だろうが。散々してきたろ、あんただって」
城田はフッと笑うと、慎重に起きあがりながら、グッと志摩の首を腕で締め上げた。
「いやな性格だな、てめえ」
志摩は、苦笑していた。
「俺はな。我慢して、我慢して、我慢して・・・。最後に勢いよく出すのが好きなんだよ」
「そういう性格は、Mだ」
「そうだよ」
うなづきながら、城田はグルリと辺りを見回した。
「さあ。命令しな。祭りは終わったってな。ちゃんと言わねえと、首を綺麗に切り落としてやるぜ。これはハッタリじゃねえぜ」
城田のナイフが、スーッと志摩の喉を、右から左へと走った。うっすらと志摩の首に血が滲んだ。
「アンタの可愛い後輩達は逃げた。もういいだろ。目的は達した。充分じゃねえか。仕切りなおせよ。無敵の帝王」
フッと、城田は志摩の耳に囁いた。志摩は、渋々そうだったが、大声で、城田の命令通りに舎弟達の動きを止めさせた。
喧騒が一瞬にして鎮まりかえった。
「いい統率力だね」
言いながら、城田は志摩を引き摺って倉庫を出た。
「義政っ」
城田が名を呼ぶと、無事ではなさそうだが、とりあえず小田島は舎弟達に守られながら、よれよれとこっちに向かって歩いてきた。
「緑川」
次に緑川の名を呼ぶと、緑川は走ってきた。やはり、あまり無事ではなさそうだったが、少なくとも小田島よりは元気だった。
「もう少しつきあってもらうぜ。志摩さんよ」
城田は志摩の首にナイフを当てながら、小田島の車に乗り込んだ。
「プライドあんなら、ヘタに仕掛けてくんなよ。俺達の目的ももう済んだ。あとは帰るだけだからな」
運転席に座りながら、城田は志摩の背中を蹴って、突き飛ばした。
「無免許運転で捕まっちまえ!城田」
志摩は、アスファルトに手をつきながら、城田を振り返った。
「そんなヘマするかよ」
ガンッと、アクセルを踏むと、城田は車を発進させた。次々に小田島の舎弟達の車が後に続いた。
「志摩さん」
わらわらと志摩の側に、舎弟達が駆け寄ってきた。
「一本取られたな。あのタヌキヤロウ」
志摩はニヤニヤ笑いながら、肩を竦めた。
「しかし・・・。睦美のヤツは、面白いヤツに出遭わせてくれたぜ。感謝しなきゃな。可愛い妹によ」
志摩は、小田島達の車が埠頭から出て行くのを見送って、それから自分達もすばやく埠頭を後にした。
一瞬のうちに、埠頭には静けさが戻っていた。
一方の連橋は、志摩の舎弟達と共に病院に向かっていた。車の中で、「何故あんなところへ来たんだ」と車を運転している舎弟の一人に聞くと、「怜治さんは、妹の睦美さんからの知らせを受けてあそこへ行ったんだ」と答えた。「睦美?」と連橋は聞き返した。「って、志摩睦美って・・・。アイツ、志摩さんの妹なのか」と言うと、舎弟はうなづいた。知らなかった・・・。連橋はそう思いながら、隣の流を見た。流はグッタリと連橋の肩にもたれかかって目を閉じていた。
「急いでくれ」
車を急かせ、病院に流を置いてきて、ひとまず連橋は家に戻った。さっきから、尻の奥が疼いてどうしようもなかった。あの時、飛び込んできた志摩の舎弟達に見られまいと、慌てて、近くに放り投げられていた学ランを素肌に羽織ってズボンを履いた連橋だったが、その直前、自分の中で射精を済ませた小田島が、またバイブを連橋の穴に突っ込んできていたのだ。苦しがる連橋を見、せせら笑いながら小田島は、ブツッと連橋の穴にバイブを納めてしまった。だがしかし、連橋はそれを抜くことが出来なかったのだった。慌てて服を着てしまったからだった。とにかく家に戻り、一刻も早く出してしまいたかった。いい加減、股間も限界を迎えていたからだ。鍵を開けるのももどかしく、連橋はガチャガチャとドアノブを引っ張った。鍵穴に、うまく鍵が入らない。そうこうしてるうちに、その音を聞きつけてか、隣の部屋から大林が顔を出した。
「どうした、連。こんな真夜中に」
「なんでも・・・ねえよっ」
連橋は、まだノブをガチャガチャさせていた。見かねた大林は、部屋を出てこちらにやってきた。
「なにやってんだ、鍵が入ってねえだろ」
言いながら、触れた連橋の手が異様に熱いのに気づいて、大林は眉を寄せた。
「おまえ・・・」
振り返った連橋の顔は、明かに紅潮していた。
「なんでもねえよ。早くドア開けろっ」
大林は、連橋の髪を掴むと、そのまま学ランを両手で引っ張った。素肌の上に学ランを着ていた連橋だったが、胸には無数の赤い跡があった。
「また犯されたのか」
「うるせぇ・・・。手をどけろ」
連橋は大林の腕を振り払ったが、大林はその手首を握りこんだ。
「こっちへ来い」
「なにすんだっ」
無理矢理連橋は、風呂場に連れていかれた。大林のすごい力によって、連橋はズボンを脱がされていた。あっと言う間に、全裸にされてしまう。
「てめえっ」
だが抵抗する力も空しく、連橋は大林にドンッとタイルに押さえつけられた。大林は、連橋の両足を掴むと、バッと広げた。
「うっ」
いまだヤられた名残か、連橋のアナルはヒクヒクと蠢いて真っ赤だった。大林は、それを見ては、喉を鳴らし、指でソコを撫でた。
「!」
大林は目を見開いた。連橋のアナルになにか埋まっていた。
「これは・・・」
バイブだった。
「んっ」
連橋が身を捩った。クッと、指を引っ掻け、大林は連橋のアナルを引っ張った。ドロリと、白濁した液体が零れ落ちてきた。精液を中出しされたようだった。ゆっくりと、大林は連橋のアナルから、バイブを取り出した。
「や、やめっ」
大林はシャワーヘッドを掴むと、楔がいなくなった連橋の小さな赤いアナルに、シャワーを突き付けた。勢いよく吹き出したお湯が、連橋のアナルを打った。
「いや、だっ。ああっ」
ヒクヒクと動く連橋のアナルは、シャワーの感覚に合わせて、妖しく蠢いた。大林は、無理矢理連橋のアナルに太い指を突っ込み、指で精液を掻き出した。ジュプジュプと、泡を立てながら、中出しされた精液が連橋の内股を流れ出て行く。
「あ、ああっ」
連橋は両手で顔を覆った。ヒクッ、と連橋の腰が浮いた。大林の顔に、連橋の放った白い液体がかかった。
「んくっ。ん」
まだアナルを嬲る手を止めない大林に、連橋は叫んだ。
「てめえ、やめろ。もう、ソコ、弄るなっ。変になっち・・・まう」
「変になれ」
「いやだっ。離せっ」
大林はシャワーによって濡れてしまった連橋の体を抱き上げた。同じ歳ぐらいの少年からすれば、連橋の体は大きかったが、大林からしてみればまだ子供だ。軽過ぎるくらいだった。
万年布団の上に、濡れた連橋の体を下ろす。大林は、好んでは着ていた着物を即座に脱いだ。ブリーフを脱ぐと、そこには既に勃ちあがったペニスがあった。連橋は布団から上半身をのろのろと起こしかけていたが、恐怖の顔色で大林を見上げた。
「やめろ。アンタまで、俺を・・・」
「ずっと俺は、おまえをこうやって犯したかったんだ」
「ふざけんなっ。やだっ、やめろって!」
大林は、抵抗する連橋の脚を纏めて片手で持ち上げると、バックリと開いたアナルに舌を寄せた。既に濡れそぼっていたアナルの入口は、大林の舌を抵抗なくスイッと受け入れた。
「いっ。うっ」
連橋の体が竦んだ。連橋のアナルはもう蕩けていた。ヒクヒクと可哀相なぐらいに震えていた。前戯など必要がない程だった。だが、大林は連橋のソコを執拗に嬲った。連橋の爪先が震えているのが片目に映った。さっきもしたように、指でグリッと、アナルの入口を突ついた。
「んあっ」
連橋がうめいた。半開きになった唇から、赤い舌が蠢いた。
「!」
風呂場から拾いあげてきた特大のバイブを、大林は連橋のアナルに再び押し込んだ。
「あ。ひっ。ううっ」
だが、開ききった、そして慣らされた連橋のアナルは、危なげではあるがゆっくりとそれを飲み込んでいった。半分挿れたところで、大林は手を休めては、連橋の乳首に舌を寄せた。そして、再び勃ちあがっている連橋のペニスを大きな掌で包んだ。シュッと扱いてやると、連橋は「ああっ」と身を震わせた。奥ではない、中途ハンパなところで止まった特大のバイブと、下半身を弄ばれている連橋は、ひっきりなしに首を振った。体がゾクゾクして、出るっ!と思ったが、大林の掌が連橋のペニスを堰き止めていた。
「や、あ。う、んんっ」
大林は、バイブのせいで開ききっている筈の連橋のアナルに、中指を突っ込んだ。きつかったが、連橋のアナルは大林の指を受け入れた。そして、キュンッと締め上げた。
「ああっ」
連橋は叫んで、ハッとした。
「や、やめろよ。声、亜沙子に聞こえちまう・・・」
こんな薄い壁のアパートだ。こんな声は本当に丸聞こえだろうと思う。だが大林は手を緩めなかった。連橋の口に、自分の勃起したペニスを咥えさせた。
「ん、うっ」
「教わったんだろ。おまえを犯した男達に」
「くっぅ」
大林は、腰を動かし、連橋の喉の奥を突いた。連橋の眉がキュッと顰められた。
「ん、ん、ん」
くぐもった声で、連橋はペニスを咥えては、しゃぶった。大林は柔らかい連橋の金色の髪を掴んで、腰を動かし、更に喉の奥を突いて犯した。そうしながら、大林は連橋の、バイブが突き刺さった滑らかな尻を撫でた。ピクンッと、連橋の尻が震えた。瞬間、大林は連橋の口の中で射精した。
「ご、ごほっ、ごほっ」
連橋は、大量の精液を受けとめられずに、咽せてはシーツの上に零した。
「まだ練習の必要がありそうだな」
何度も体を重ねれば、ただ咥えられて舐められただけではこうもいかないからだ。今日が初めてだからこそ、わりあい早くに達してしまった大林だった。
「裏切りモノっ」
「なんとでも言え」
大林は、連橋の肩に手をやると、押し倒す。そして、連橋の体に半分埋まっていたバイブを勢いよく奥まで含まさせた。
「あーっ!」
連橋が悲鳴をあげた。もう、亜沙子に聞こえてしまう、と考えている余裕など消し飛んだ。
内襞をすごい勢いで擦られて、たまらなかった。
「作りものは所詮冷たい。同じ長くて太いモンでも。熱い方がいいよな」
大林は連橋の耳元で囁いては、バイブを抜き去り、自分のペニスをアナルにあてがう。
「ひっ、いっ。ううっ」
何度、何本受け入れても、一向に慣れることはない挿入時の感覚に、連橋の体が震えあがった。大林は、連橋の体を抱き上げ、その膝に抱えた。連橋は、大林のペニスに串刺しにされてしまった。
「ん、うううっ」
膝の頭に手をやり、大林は連橋の脚を左右に開いた。そうすることによって、連橋のアナルは広がり、ますます大林のペニスが堂々とソコに出入りしていった。
「あ、あ、あ、あ」
下からズンズンと突き上げられて、連橋は大林の肩に手を伸ばした。その肩に噛み付き、連橋は喘ぎを堪えた。
「っ、っ、っ」
容赦ない大林の腰使いに、数時間前も同じように小田島に広げられていた連橋のアナルは、崩壊状態だった。血が流れた。
「連。おまえの・・・穴。背中の刺青の男は、正しく言い当てたようだ。嫌がりながらも、おまえは感じてる。誘ってる。ほら、俺を誘っているんだ」
キュウッと連橋のアナルは、大林を締めつけて、離さなかった。
目の前で揺れる連橋のまだ幼い乳首に大林は噛み付き、荒々しく腰を突き上げる。
「も、う・・・」
いや、とばかりに連橋は首を振った。
「俺はおまえを買った。無理矢理だがな。これは取引だ。100万、おまえにくれてやろう。だから。俺はおまえを自由に犯す。だが。俺はおまえを犯している男どもとは違う。こうするしかなかったんだ。おまえを抱くのに。許してくれ・・・」
大林は息を荒げながら、そう連橋の耳元に囁いて、そしてその唇にキスをした。何度もキスを繰り返し、連橋の舌を誘い吸い上げた。吸い上げながら、大林は連橋のアナルを攻めるのを休めなかった。連橋は、射精しながらドッと大林の胸に倒れた。意識を失った連橋の背を、大林はゆっくりと撫で上げながら、その耳元に名を囁き、きつく抱き締めた。
連橋が目を開けると、布団の周りには、札が散らばっていた。
「・・・」
全裸だったが、体は綺麗に拭われていたようで、いつものベタつく不快感はなかった。体には、毛布がきちんとかけられてあった。起きあがろうとして、連橋は起きあがれなかった。限界を超えたセックスに、体が動かなかった。尻も軋むように痛んだ。すぐ側には亜沙子が座っていた。
「レイプ犯は、逃げちゃったよ。しばらく旅に出るって。当分戻ってこないって」
亜沙子は笑っていた。
「あっちへ行けっ」
連橋は、亜沙子から顔を背けた。
「連ちゃん・・・」
「うるさいっ」
「怒らないで、連ちゃん・・・」
「あっちへ行けって言って、・・・亜沙子」
亜沙子を振り返って、怒鳴ろうとして、連橋は目を見開いた。
「あのね。この部屋に今、100万円あるんだよ。お札が散らばっているの。どこに隠していたんだろ、こんなお金。掃除していても全然気づかなかったわ。連ちゃんにあげるって、先生言ってたわ」
亜沙子は泣いていた。涙を零していた。
「あたしね。先生が、連ちゃんのこと好きなの、知ってたわ。それが、セックス込みの感情だってこともね。連ちゃんさあ。ちょっと、ヤバイよ。なんか、ヤバイね、連ちゃん。どうして、そんなに男の人を惹きつけちゃうんだろ。昨日の声、全部聞こえちゃった。あたし、盗み聞きしちゃった。悪趣味だよねぇ。そんでもって、一人でやったの、私」
「亜沙子」
亜沙子は、涙を拭きながら、ニッコリと笑った。
「私達。もうセックス出来ないよね。連ちゃんが私と寝れないように、私ももう連ちゃんとは寝れないのよ。わかるでしょう。あんな場面を見られた連ちゃんと、見せられた私。お互いに知ってて・・。今まで気づかないフリしてたけど、もう限界だよね」
連橋は、顔を掌で覆った。
「俺が・・・気持ち悪いか?亜沙子。男にあんなことされて。昨日だって、俺は小田島や、大林のオッサンに抱かれて、変な声出して・・・。出したくなくても、出ちまうんだ。それに、最近は・・・。痛いだけじゃなくなってきた。感じちまうんだよ。女みてえに!おまえが俺を気持ち悪く思うのは当然だよな・・・」
「そうじゃないのよ。そうじゃ、ない。でも、事実は事実だわ。私達はもうセックス出来ない。恋人同士じゃないのよ。連ちゃん。あなただって、わかっていたでしょう」
「・・・」
連橋は亜沙子を見つめた。
「戻ろう。私達。子供の頃みたく。お姉さんと弟。私は連ちゃん好きよ。とても好き。可愛いし。けどね、恋人ではいられない。私だって女だから、抱かれたいのよ。でも、連ちゃんには抱いてもらえないもの・・・。だから。戻ろうね、私達。私は、流くんと同じ立場になる。友達よ。連ちゃんの側にいる。側を離れない。連ちゃん。もう解放してあげる。私も解放される。でも・・・。私達は離れない。いいよね、連ちゃん。広い世界で、こんな男と女の関係があってもいいよね」
亜沙子は再びポタポタと涙を零した。
「ごめん。亜沙子」
「先生を許してあげてね。先生は、連ちゃんのこと、愛してるのよ。そういう愛の形だってあるのよ。先生は、理由が欲しかったのよ」
「・・・」
連橋は目を閉じた。
「亜沙子。俺・・・。近いうちに、久人のところに行く。この金で、俺は久人を取り戻す」
「うん・・・。きっと、先生もそれを望んでいると思う」
亜沙子は連橋の額に手で触れた。
「必ず帰ってくる。久人連れて。おまえと流と。大林のエロオヤジのところ」
「うん。待ってるよ。私達、連ちゃんが帰ってくるの、待ってる」
亜沙子はうなづいた。連橋は亜沙子の指に、躊躇うかのように自分の指を絡ませた。
「亜沙子。今度好きになるヤツ・・・。いいヤツだといいな」
すると亜沙子は、少し吃驚したような顔になって、それからクスッと笑った。
「そうね。いい人だといいな。連ちゃんみたく優しい男がいいわ」
「おまえならば大丈夫だろう。おまえは美人だし、セックスうまいし、性格が綺麗だ。おまえならば、大丈夫だよ。いいヤツを必ずみつけるさ」
「ありがとう、連ちゃん」
「必ず帰ってくるから。俺を捨てるな、亜沙子」
「捨てないよ。だって、約束したじゃない。側にいるって。側においてくれるって。私は約束を守るわよ。絶対にね」
「ああ。流とおまえ。俺は絶対に手放さねえからな・・・」
そう言って、連橋は亜沙子の手をきつく握った。亜沙子の手は、とても暖かかった。
第16話に続く
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次回で、第1部終了です。ほえ〜(汗)
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